いよいよ初級編の本丸突入です。これをクリアすると、iPhoneでも次のような 1024×1536 ピクセルの絵を描けるようになります。この記事の画像も全てiPhoneで描いています!

ここまで来るとモチベーションが上がりますよね。まだ前回の記事を読んでない方は、こちらからどうぞ。

High Resolution Fix
SD1.5 は、ピクセルサイズ 512×512 の画像でトレーニングされているので、良好な結果を返すのは 短い辺を 512 にした時です。私はスマホで見る画像を想定しているので、基本的に縦長の絵を描きます。従って、 Image size は 512×768 で描かせています。
しかし、その解像度では使える絵にはなりません。そこで画素数を上げていきます。今回はHigh Resolution Fix という機能を使って高画質化してみます。
512×768で作画
この機能を理解するために、まず Image Size 512×768 で1枚描いてみましょう。今回は水着を着てちょっと肌の露出を多めにしてみます。シード値はまた 12345 ですが、Text Guidance を 6 にして、ちょっとプロンプトの重要度をあげてみます。
項目A cat sitting on the chair | 値 |
---|---|
Prompt | A Japanese girl wearing swim suit, standing beach, sea, blue sky, some people, looking viewer, smile |
Negative Prompt | <easenegative>(worst quality:2) |
Model | MajicMix Rialistic v7 (8-bit) |
LoRA | Disabled |
Control | Disabled |
Strength | 100% |
Seed | 12345 |
Image Size | 512×768 |
Steps | 16 |
Text Guidance | 6 |
Sampler | DPM++ 2M AYS |
Shift | 1.0 |
Batch Size | 1 |
こんな絵になりました。

相変わらずしょぼい絵ですが、ここで描かれた画像を私は「種絵」と呼んでいます。
1024×1536で作画
では、上記のセッティングから、Image Size だけ 1024×1536 に縦横を2倍に変更して再度描かせてみます。ただし、搭載メモリが少ないモデルだと、このサイズでは描けないかもしれません。その場合は、640×1024 とかもう少し小さいサイズでトライして見て下さい。基本的に Image Size は 2048×2048 が最大値なのですが、私の Mac Book でもそのサイズで絵を描くことは出来ませんでした。

どうですか?描くのにだいぶ時間はかかりますが、絵はかなり良くなっていますよね。そして、シード値も同じなので、上の絵とほぼ同じ絵を高精細に描いてくれます。ただし、水着の柄が無くなってたり、尻尾?があったりちょっとおかしい部分もあります。
Draw Things では、短辺が 512 より大きな Image Size で描くと、自動的に High Resolution Fix が有効になって、高精細化してくれるのです。この High Resolution Fix は Basic セッティングの中には無くて、Advanced セッティングの中にあります。

では、High Resolution Fix を一旦 Off にして描かせて見ます。

同じシード、同じセッティングなのに、足が3本描かれています。その他も、何となくおかしくないですか?AIには最適な作画サイズというのがあり、それを超えたものを描かせると、うまく描けないのです。High Resolution Fix はそういった失敗作を描かないための保険とも言えるので、常に有効にしておきましょう。
High Resolution Fix のパラメータに 2nd Pass Strength というのがあるので、それを 70%だったのを50% にして、もう一度描かせてみました。

強度を落とすと、最初のイメージに近づきますね!
この絵を、512×768 にリサイズして、最初の画像とスライダーで比較するとこうなります。


High Resolution Fix は具体的には何をしているのか。作画中の画面を見ていると、何となく分かるのですが、低解像度で描くのが、1st Pass、それを 2nd Pass で Image Size を広げて高解像度にし、 i2i しているのではないかと思うのです。
手動 High Resolution Fix
実は「高画質の画像を作成したいからと、Image Size を High Resolution Fix に頼って、大きくする。」 というのは、おすすめしません。1枚描くのに、時間とバッテリーをだいぶ消費するからです。従って、 512×768 のサイズで何枚も描かせて、気に入った1枚を手動で High Resolution Fix する。というのが、基本的な DrawThings の使い方になります。
とりあえず、最初に描いた 512×768 の画像を履歴から選択し、Image Size を 1024×1536 にします。すると、作画エリアが大きくなるため、描かれた絵が次のように相対的に小さく表示されます。

作画エリアの左下に、1Xというメニューがあるので、そこをタップし、2Xを選択してください。すると、キャンバスが2倍に拡大され、また作画エリアにフィットします。絵がずれてしまった方は、ドラッグして枠にぴったりと合わせて下さい。
これで、大きな作画エリアのイメージレイヤーに、ただ2倍に拡大しただけの雑な絵が乗っかています。
セッティングの、Strength を 100% から 25% に変更(ほぼ同じ絵にしたいので、強度をかなり下げました)し、Generate をタップします。
最初からから描くよりは、時間が短縮できます。そして出来上がったのが記事の最初で紹介した絵です。
これも、リサイズしてスライダーで比較してみます。


最後に
いかがでしたか。スマホで、ちょっとHなAI画像を描けるようになったら、ちょっと楽しいと思って、iPhoneでテストしながら記事を描いていきますので、Xでも、記事のコメントでも良いので、リアクション頂けたら嬉しいです!
次回は、最終兵器アップスケーラーです。

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